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「は〜、最近は皮防具の売れ行きが悪いわねー」
スカラブレイの東は猫蛙村、羊洋裁店 店主のsheepは
閑古鳥の無く店内を見渡すとため息をついた。
先ほどからはトレードマークの白髪の左右のおさげを解いては編んでを
繰り返している。
まあ、要するに暇なのである。
時は金なり、商人にとって暇とは基本的に芳しいことではない。
「最近は平和続きで、防具なんて売れないのかしら。。」
「もう、白馬に乗った追いはぎ様でも現れて、大活躍でもして
くれないかしらね・・」
物騒な事をぼやきカウンターにうつ伏す彼女の耳に、政府からの書簡を
携えた早馬の、大地を蹴るひづめの音が響いてきたのはその時だった。
「公式な戦争?!」
書簡の内容は驚くべきものだった。
無限世界に2つとない秘宝、白竜の心臓をめぐる一件に対して、政府
公認で権利書の奪い合いを行う場が設けられたという内容だった。
「あらら、結構じゃないの♪ これは防具が売れる兆しね」
いそいそと台帳を広げ、上機嫌で皮の在庫をチェックし始めた彼女
だがその手が途中で止まる。
果たしてこの戦争ではどれぐらいの防具が消費されるだろうか?
必要以上の資材を仕入れれば、在庫が膨らみ大赤字になってしまう かもしれない。
「うーん、どれだけ、激しい戦争になるかわからないし、少なくとも
実際の戦場の様子を確認することが必要ね。。。」
「実際の戦場・・・ん、むしろ私も戦争に参加してしまえば?」
自分も参加すれば状況を把握できるし、戦場にて積極的に防具を
損耗させれば、防具不足になり需要も上がるかもしれない、彼女
の脳裏にそんな都合の良い打算が浮かび、想像は防具を求める人々
でごった返す店内を思い浮かべる妄想まで発展した。
「えへへ〜、これは儲かりすぎて大変ねー」
(国境なき絵師団より)
幸い盟主の一人、ラスカーズとは商人仲間として親交があり、
何かと取引のある仲だ。
何でも屋という職業柄、断れない性格の彼のことだ、強引に
押しかければ仲間に入れてもらえるだろう。
「よーし、いっちょ大暴れしちゃいますかっ!」
(国境なき絵師団より)
真紅のドレスコートを身にまとい、お手製の羽帽子を被ると、
sheepは軽い気持ちで思いついた皮算用を胸に自由貿易同盟の
拠点へと向かった。
sheep様、投稿ありがとうございました。
市場調査のためとは…
実に切れ者の商人らしい参戦理由だと思います。
タイトルの記載がありませんでしたので
こちらで暫定的につけさせていただきましたが
よろしかったでしょうか?
ぴったりな題名を付けて頂いてありがとうございます♪
折角のイベントなのでみんなで盛り上げていけたらなー
と思います。
商人だってがんばっちゃう!