白竜戦記

MMORPG UltimaOnline 無限シャードにて開催のPCイベント白竜戦争の記録置場
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# 【投稿レポート】【白竜戦争】とある騎士の物語 〜復讐の騎士〜
 騎士JOHNの記録

これは人食い箱をめぐる攻防の中で
人知れず紡がれた
騎士の戦いの物語―――

「【白竜戦争】とある騎士の物語 〜復讐の騎士〜」


 

そうだ。

迎えの船を出そう。

まだ海底神殿に残されている仲間がいるはずだ。

そう思った俺はその場で船を出し、単騎のまま出航してしまった。

迂闊にも。



海底神殿が見える前に、敵船に捕捉された。

eclipseをはじめとする数人が乗り組んでいる。

俺はすぐさま進路変更の指示を船頭に出したが遅かった。

敵の名を見れば火力の程が知れるというもの。

結果、俺は殺された。

喜びのあまり、そこが未だ戦闘海域だった事を失念して出航した俺のミスだ。

俺はこの時ほど自分の愚かさを呪った事はなかった。

自軍に船を操れる者がいなくなった場合は直ちに停船せよ、

という戦時規約をも失念する程に。



sheepが俺の呼びかけに応じて蘇生に来てくれた。

「ありがとう」

棺桶に残った俺の所持品を回収して渡してくれる。

宴の準備があるのだろう、彼女は足早に拠点へと戻っていった。

そして俺は渡された物に戸惑っていた。



(樽?)

俺は戦場に出る時に樽を持ち歩いたりしない。

では何故?

中を覗いてみた。

そこには、俺の銘が入ったプレートメイル一式。

ついさっきまで俺が着ていたモノ・・・。

どかぁん!!

俺は思わず樽を蹴飛ばしていた。

樽は転がり、甲冑ががらがらを音を立てて散らばる。

「お、お、お、おのれッ!!」

憤怒で視界が赤く染まる。

強く噛んだ唇が裂けて血があごへと伝う。

握った両の拳はわなわなと震えていた。



秘薬やその他のモノが全て奪われているのに、

プレートだけが残されているという事は、

わざとそれだけを残して行ったという事に他ならない。

如何なる故あっての事か?

この俺を愚弄する気か。

哀れんだとでも言うのか。

理由の如何は問題ではなかった。

このような侮辱を受けた事は、未だかつて無い。

怒りの余り全身の血が逆流し、髪の毛が逆立つ。

それでも今はこれを着る以外にない事が余計に腹立たしい。

死にローブを脱ぎ捨て、俺は散らばったプレートを拾いながら装着していく。

指がぶるぶると振るえ、止め具を掛けるのにも難儀する。

そうして装着している間に、俺はある決意を固めた。

屈辱の鎧で全身を包んだ俺は、青い刀身の剣を天に振りかざして叫んだ。

「この恩義、必ずや仇で返すッ!!」



その晩、俺は剣を研ぎながら復讐計画を練った。

eclipseが攻撃者である事は間違いない。

ルート者は別だとわかってはいるが、

戦闘員以外に復讐の刃を向けるなど騎士の名折れだ。

標的はeclipse。

倒せるかどうかは問題ではない。

侮辱には復讐で報いる覚悟がある事を示さねば、

この先ずっとヤツの風下に立ち続ける事になる。

そして、ここで立ち向かわなければ、

俺は侮辱に対して押し黙るような臆病者になってしまう。

騎士として、それは何よりも恐ろしい事だった。

復讐戦は必然。

あとは、

如何に俺の流儀を、意地を通せるか。

それだけが問題だった。



翌日―――。

傭兵盟主Lavaの誕生日を匪賊たちと共に盛大に祝った後、

幸いにも俺の船でeclipseとふたりきりになる機会を得た。

「ところでeclipse殿、話がある」

「は。なにか?」

こちらへと向き直る匪賊参謀。

「後ほどそっちに出向く」

「・・・いえ、こちらからお伺いしましょう」

いつもの冷静な態度。

「アンタと一戦やらにゃおさまらねぇ。承知してくれるか?」

「ふむ。構いませんが、当方をわざわざ指名する理由は・・・」

まぁ、そう思っても不思議はない。

しかしそんな話を今くどくどとするつもりも無かった。

「そいつは終わってからで」

「まあ、色々思い当たる節はありますがね」

いつものしたり顔を見せる。

俺はeclipseのこの顔が大嫌いだった。



商人拠点に戻り、事の次第を仲間に告げた。

「立会いは・・・だめ?」

sheepが心配そうな目を向けてくる。

俺は、自分でも冷淡と思える口調で応じた。

「かまわないけど、蘇生、ルートも含めて」

「うん」

「一切手出し無用」

「ぶ」

sheepには予想外だったらしい。

他の仲間たちも半ば呆れたように俺を見ているのがわかった。

だがこれは俺にとって、どうしても必要な事だった。

極めて個人的な理由で復讐に赴くのに、仲間の手を借りるなど

騎士として恥ずべき事だ。

「わかったわ。そこまでなら、いってらっしゃい」

苦笑交じりにsheepが言った。

そしてこう付け加えた。

「悔いの無い戦いをね」

俺は目を閉じてすぅっと息を吸い込み、彼女の厚情に感謝した。

「行ってくる」

一礼してマントを翻し、俺は拠点を出た。



匪賊拠点前にはAriElleがいた。

「おや、一騎打ちかい?」

「eclipse殿に用があってきた」

「ああ」

そこへ、eclipseも姿を見せる。

「待たせたな」

肩をすくめ、呆れたように、

「一騎打ちね・・・」

ヤツのお得意は隠密行動であり、参謀として働く事。

戦士として一騎打ちなぞ、本来望むものではないだろう。

それでもその戦闘力は俺を上回っているだろうが。

俺にとっては全てがどうでもいい事だった。

ただ、この男に復讐戦を挑む事ができたならば。

「まあ、当方も今戻ったところでしてね。

 少し、準備をしても?」

「かまわないぜ」



「会場、設営しようかい?」

「どちらでも」

AriElleの言葉にぶっきらぼうに答える。

「ここだと傭兵やらそちらの血の気の多いのやら、

 来た時が面倒だしね」

「なるほど」

尤もだ。

確かに邪魔はされたくない。

「立会人は誰か呼ぶ?」

「いや、ウチは誰も来ない」

決然と言い放つ俺に、AriElleは呆れたように言った。

「おやおや、だまし討ちにあうかもしれないのに」

「それはそれで流儀の問題だ。俺は俺の流儀を通すだけだ」

「ふふ」

ニヤリと笑みを浮かべる女海賊。

「まあ今日はあたし、斧の兄さんの歯軋りするとこ見れただけで

 お腹いっぱいだから手は出さないよ」

俺は心中密かに感謝した。

言葉は悪くても、この女海賊がこちらの意を汲んでくれた事に。

「あたしはね」

そう付け加えた事には、思わず苦笑を禁じえなかったが。



「よろしく」

「こちらこそ」

短く言うと、eclipseも短く応じた。

AriElleが用意した簡易闘技場で対峙する。

剣の鞘を払い、構える。

eclipseの得物はクロスボウ。

如何に距離を詰められるか、そこが勝負の肝だろう。

「じゃ、壁出そうか?」

AriElleの言葉にうなずく。

「In Sanct Ylem」

俺はギリッと唇を噛みしめ、

いつでも飛び出せるように全身に力を漲らせた。

海風が、少しだけ吹いていた―――。



「ち」

舌打ち。

「勝負あったね」

AriElleの言葉。

俺の視界は灰色。

いくらかは手傷を負わせたが、勝負はほぼ一方的だった。

まぁ、最初から予想していた事だ。

残念ではあるが、それが俺の実力。

「An Corp」

AriElleが俺の蘇生を試みる。

「AriElle様、それは」

「・・・」

eclipseの言葉が示すとおり、蘇生はできない。

俺は『献身の徳』を積んだ者にのみ許される力を行使した。

―――自己蘇生能力だ。

「っと」

eclipseが驚いたように声を漏らし、

心配するまでもなかった、とばかりに肩をすくめて見せた。



「eclipse、こないだの海戦、

 最後にプレートを残して立ち去りやがったな?」

「ええ」

「武士の情けとでも言いたいのか?」

極力抑えてはいたが、俺の言葉は端々に怒気を含んでいた。

「勘違いなさっておいでで」

苦笑しながら応えるeclipse。

「じゃあ、どんな理由だ」

「簡潔な話です。zaki様が直後に、カバーに入ったのですよ」

「それだけじゃねぇだろ。

 わざわざ樽に入れて置いてったんだ。

 舐めるのも大概にしとけ」

おやおやと言わんばかりに肩をすくめて見せる。

「もう一点、勘違いですね?」

嘲りとすら受け取れるeclipseの表情。

「ルートをしたのは・・・」

「わかってるさ」

遮るように、俺は言葉を重ねた。

「だけどその連中に戦いを挑んでも、しょーがないだろ?」

「成る程」

「だから攻撃者のアンタに一騎打ちを頼んだのさ。

 まぁ、今度からはあんまし舐めた真似すんじゃねーぞ」

「ふむ」

eclipseの考え込むような表情。

敵を手玉に取る会話を得意とし、常に嘲りと受け取れる態度を崩さないヤツが、

今までで見せた唯一の隙と言っていいだろう。

俺はヤツの中に、“それ”があるのを認め、満足した。

我が事成れり、だ。



俺は全ての所持品をAriElleが用意した箱に収めた。

一騎打ちに負けたのだから当然の事だ。

逆に言えば、その為にここに来たとも言えるのだから。

ゲートで送ろうというAriElleの言葉を振り切って俺は走り出した。

最後まで、誰の手を借りるつもりも無い。

カバンに残ったBlessのミニチュア船を実体化させ、乗り込む。

またしても全てを失ったが、それはむしろ本望。

eclipseの中に見つけたものに、俺は満足していた。

ただの陰謀好きの策士というだけではない。

―――義を知る心。



胸いっぱいに潮の香りを吸い込む。

海風が心地よかった。


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